
求人票で「交通費実費支給」という言葉をよく見かけませんか?なんとなくお得に感じますが「上限はあるの?」「どんな通勤方法が対象?」など、意外と知らない点も多いはずです。
自分に合った職場を見つける上で、毎日の通勤に関わる交通費のルールを正しく理解しておくのは非常に大切です。本記事では、求職者の方が損をしないために「交通費実費支給」の基本からメリット、面接や入社前に確認すべき4つの注意点まで、分かりやすく解説します。

求人票でよく見る「交通費実費支給」3つの基本
求人探しをしていると、福利厚生の欄で必ず交通費の項目を目にします。その中でも「実費支給」は最も一般的な表記の一つです。まずは、この言葉の正確な意味と他の支給方法との違いを3つのポイントで理解します。
そして、求人票を正しく読み解くための基礎知識を身につけましょう。
実際にかかった費用を全額支給する制度
「交通費実費支給」とは、あなたが通勤で実際にかかった費用を、会社が全額支払ってくれる制度を指します。例えば、自宅の最寄り駅から会社の最寄り駅まで電車で往復1,000円かかった場合、その1,000円がまるごと支給される仕組みです。
多くの場合、従業員が一時的に運賃を立て替え、後から経費精算をして会社に請求する流れになります。求人票にこの記載があれば、基本的には通勤にかかる交通費の自己負担はないと考えてよいです。
「一律支給」との違い
「一律支給」は、実際の交通費に関係なく、全社員に「月1万円」のように決まった金額を支給する方法です。この場合、実際の交通費が5,000円でも1万円がもらえますが、逆に交通費が1万5,000円かかると5,000円は自己負担になります。
会社の近くに住む場合はお得になる可能性がありますが、遠方から通う場合は損をしてしまうケースもあるため、自分の通勤コストと照らし合わせて考える必要があります。
「上限あり支給」との違い
求人票で「交通費支給(月3万円まで)」のように書かれているのが「上限あり支給」です。これは実費支給の一種ですが、支給額に上限が設けられています。
例えば、上限が月3万円で実際の交通費が2万5,000円だった場合は2万5,000円が支給されます。しかし、交通費が3万5,000円かかった場合は、上限である3万円までの支給となり、差額の5,000円は自己負担です。
応募する際は、自分の通勤経路でかかる費用が上限額に収まるかを確認しましょう。

交通費実費支給の対象となる交通手段は4つ
「実費支給」といっても、どのような通勤方法が対象になるのでしょうか。会社の規定によって細かなルールは異なりますが、ここでは一般的に交通費として認められやすい4つの手段について解説します。
1.電車やバスなどの公共交通機関
電車やバスは、最も一般的な交通費支給の対象です。ただし、どのルートでも認められるわけではなく、基本的には「合理的かつ経済的なルート」の運賃が支給対象となります。
これは、自宅から会社までで、最も料金が安く、時間もかかりすぎない一般的な経路です。もし「乗り換えが面倒だから」といった自己都合で料金の高い経路を選んだ場合、差額分は自己負担になる可能性があります。
2.新幹線や飛行機
これは主に入社後の出張など業務上の移動で使われるケースですが、知識として知っておくと役立ちます。遠隔地への出張などで新幹線や飛行機を利用した場合も、業務命令であれば実費支給の対象となります。
ただし、グリーン車やビジネスクラスの利用可否は、会社の出張規定や役職によって異なるため注意が必要です。自己判断で予約するのではなく、事前に会社のルールを確認してトラブルを避けましょう。
3.タクシー
日常的な通勤でのタクシー利用は、基本的に認められません。しかし「公共交通機関が動いていない深夜や早朝の出勤・退勤」や「重い機材を運ぶ必要がある」といった合理的な理由がある場合に限り、特例として実費支給の対象となるケースがあります。
もし業務で利用する可能性がある場合は、認められるケースや必要書類などを事前に確認しておくとスムーズです。
4.自家用車やバイク
自家用車やバイクでの通勤を検討している場合も、交通費が支給される会社は多く存在します。この場合の計算方法は会社によって異なり「1kmあたり15円」のように自宅から会社までの距離に応じてガソリン代が支給されるのが一般的です。
この金額は、所得税が非課税となる国の基準を参考に設定されている場合が多く見られます。会社によっては駐車場代の補助が出るケースもあります。マイカー通勤を希望する際は、ガソリン代の計算方法や駐車場の有無を面接などで確認しておきましょう。

交通費実費支給の求人を選ぶメリット
数ある求人の中から職場を選ぶ上で、福利厚生は重要な判断基準です。「交通費実費支給」を掲げる会社を選ぶと、働く側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、求職者の視点から特に注目したい4つのメリットをご紹介します。
交通費の自己負担がない
最大のメリットは、何と言っても通勤にかかる交通費の自己負担がなくなる点です。特に、少し遠くから通勤する場合や、乗り換えが多くて交通費が高額になりがちな方にとって、このメリットは非常に大きいと言えます。
実費支給であれば、かかった交通費が給与とは別にきちんと支払われるため、手取り収入が交通費によって減る心配も不要です。経済的な不安なく、安心して毎日通勤できます。
公平性が保たれる
実費支給は、住んでいる場所によって有利・不利が生まれない公平な制度です。例えば「一律支給」の場合、会社の近くに住んでいて交通費がほとんどかからない人も、遠くから高い交通費をかけて通っている人も、支給額は同じになります。
その点、実費支給は、それぞれの状況に応じて実際にかかった費用が支払われるため、全ての社員が平等に扱われます。こうした公平性は、働きやすい職場環境の指標の一つともいえます。

入社前に要チェック!損をしないための注意点は4つ
「交通費実費支給」の求人は魅力的ですが、応募前や入社前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。後から「知らなかった」と後悔しないために、給与や働き方に直結する4つの注意点をしっかり押さえておきましょう。
1.税金がかかるケースの確認
交通費として受け取る通勤手当は基本的に税金がかかりませんが、それには上限があります。電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合、1ヶ月あたり15万円までが非課税です。
もし通勤手当が月15万円を超えると、超えた分は給与と見なされ所得税の課税対象となってしまいます。長距離通勤になる場合は、支給される交通費が非課税の範囲内に収まるか、念のため意識しておきましょう。
2.通勤ルートの事前申告
入社後、会社に通勤経路を申請する必要がありますが、このルートは基本的に自分で自由に決められるわけではありません。多くの会社では、最も運賃が安く時間も妥当な「合理的かつ経済的なルート」を申請するよう求められます。
例えば「楽だから」という理由で新幹線通勤などを選ぶと、差額分は自己負担になる可能性が高いです。どのようなルートが認められるのか、もし希望する経路がある場合は、面接時や内定後の面談で相談・確認しておくと安心です。
3.経費精算のルール確認
一般的には、3ヶ月や6ヶ月分の定期代を申請し購入した領収書(またはコピー)を提出するケースが多く見られます。出張などで一時的に交通費を立て替えた場合は、その都度経費精算が必要です。
申請の締め日はいつなのか、申請書はどのようなフォーマットか、オンラインで完結するのかなど、経費精算の具体的なルールは入社前に確認しておきたい項目の一つです。スムーズな手続きのために、事前に流れを把握しておきましょう。
4.上限額や締め日の確認
求人票に「交通費実費支給」とだけ書かれていて上限額の記載がない場合でも、実は社内規定で上限が定められているケースがあります。また、給与の締め日と交通費精算の締め日が異なる場合もあります。
こうした細かな点はトラブルを避けるためにも、内定後の条件面談などでしっかりと確認しておくことが重要です。「交通費についてですが、支給額に上限はございますか?」のように、具体的に質問してみましょう。

面接前に解決!交通費実費支給でよくある3つの質問
ここでは、求職者の方が「交通費実費支給」に関して抱きがちな疑問について、Q&A形式でお答えします。面接で質問する際の参考にし、求人票を比較検討する際の知識としてご活用ください。
質問1.「上限あり」と「実費支給」は、どちらがお得ですか?
どちらがお得かは、通勤にかかる費用次第です。「実費支給(上限なし)」であれば、いくらかかっても全額支給されるため最も安心できます。
「上限あり」の場合は、自分の通勤費がその上限額を超えないかどうかが判断の分かれ目です。もし超えてしまうなら、その求人は実質的に交通費が一部自己負担になることを意味します。
応募する前に、自宅から会社までの交通費を調べて上限額と比較してみましょう。
質問2.採用面接に行くときの交通費は支給されますか?
採用面接にかかる交通費を支給するかどうかは、会社の方針によります。支給してくれる会社もあれば、自己負担となる会社もあります。
支給される場合は、求人票や面接案内のメールに「面接交通費支給」と記載がある場合がほとんどです。記載がない場合は、基本的に自己負担と考えておいた方がよいです。
もし支給される場合は、領収書の提出を求められるケースが多いため、忘れずに保管しておきましょう。
なお、求人への電話のかけ方については、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:【求人の電話のかけ方】緊張しない!採用担当者が好印象を持つ話し方と例文集 – 株式会社ベルジャパン
質問3.アルバイトやパートでも全額支給されますか?
交通費の支払いは法律上の義務ではないため、アルバイトやパートの方に交通費を支給するかどうかは会社の判断に委ねられています。ただし、求人票に「交通費実費支給」と書かれていれば、それは雇用契約の一部となるため正社員と同様に支払う義務が会社に生じます。
アルバイトやパートの求人を探す際は、時給だけでなく交通費の支給条件(「全額支給」「一部支給」「上限〇円まで」など)もしっかりと確認するのが、損をしないための重要なポイントです。
なお、社員登用については、こちらの記事でご紹介しています。
関連記事:【社員登用とは】アルバイト・パートから正社員への道筋と選ばれる人の特徴を解説

まとめ
求人票に記載されている「交通費実費支給」とは、通勤などで実際にかかった費用を会社が全額支給してくれる、求職者にとって非常に有利な条件です。
交通費の自己負担がなく、住んでいる場所による不公平感も生まれないため、安心して長く働ける職場かどうかを見極める1つの指標になります。
ただし、支給対象のルートには「合理的・経済的」という原則があり、支給額には非課税の上限が設けられているなど、いくつかの注意点も存在します。求人に応募する際は、自分の通勤経路でかかる費用を事前に調べてください。
そして、不明な点があれば面接時や内定後の面談でしっかり確認しましょう。交通費のルールを正しく理解し、納得のいく職場選びに繋げてください。
なお、株式会社ベルジャパンは、有料職業紹介業のなかでも豊富な実績ときめ細やかなサポート体制を強みとしており、求職者・企業双方から高い評価をいただいております。
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